朝日新聞(大阪版 9/23)に掲載されました2002.09.23
佐々忠が、朝日新聞(大阪版 9/23)に掲載されました。
(記事全文)
赤い日よけのテントに、「沖縄 三線(さんしん)の店」の白抜きの太字が目を引く。軒先をくぐって店内に入ると、沖縄伝統の楽器、三線がずらりと並んでいる。初心者向けは3万円から、上級者向けの20万円のものもある。
三線専門店「佐々忠(ささちゅ)」(福島区玉川4丁目)は、今年8月に開店したばかり。若者たちの注目を集め、滑り出しは上々という。
店主の佐々木忠さん(58)は大阪で生まれ育ったが、祖父母が沖縄・宮古島出身。9年前にふるさとの島を初めて訪れ、三線の響きに心を揺り動かされた。
大阪に戻ってから、練習に打ち込み、3年前に「大阪三線クラブ」を発足させた。腕を磨いた今では、約60人のメンバーの指導役で、店を訪れる初心者への手ほどきも務める。
三線は、弦3本の独特の響きで喜びも悲しみも表現できる。今年6月から同クラブのメンバーになった港区の平口早苗さん(31)は「素朴な音色が好きで、時間を見つけては弾いている」とすっかりとりこになった様子だった。
佐々木さんは第二の人生の舞台に、と店を開いた。その代わり、本業の住宅設備会社の経営は家族任せになった。「メンバーと一緒に沖縄へ演奏旅行に行く。」こんな夢を膨らませている。
(文・木元健二 写真・上田潤)